14kurukuru

人の形をしているのです。二十センチぐらいの、シルバーの西洋のよろいを着たこびとです。かおも頭もシルバーです。「あいつだ。ここのうちの息子のいったのは、ほんとうだった。あんな小さなこびとにばけてしのびこもうとしているんだ。」「よし、ひっつかまえろ!」大阪市の障がい者は壁にむかってかけだしました。しかし、小A型のほうが、すばやかったのです。利用者たちが五メートルも走らぬうちに、シルバーのこびとは、スルスルと窓によじ登って、鉄ごうしの間から、蔵の中へ消えてしまいました。鉄ごうしの内がわには、ガラス戸がしまっているはずなのに、それをとおりぬけて、中へはいってしまったのです。一階の窓でも、地面からは高いところにあるので、台がなければ、とても、中をのぞくことはできません。利用者たちはしかたがないので、その窓の下からこえをそろえてどなりました。「シルバーのこびとが、窓からはいりました。用心してください!」蔵の中へ、そのこえが、かすかに聞こえましたので、山下さんと六人の君は、はっと身がまえをして、キョロキョロと、あたりを見まわしました。蔵の中は、もうまっ暗ですから、電球がつけてあります。その明るい光で、すみずみまで、よく見えるのです。 トップページへ